明暗で視線を集める、一枚絵の光の決め方
色を塗ったら、見せたい顔より背景が目立ってしまった。細部を直す前に、光の位置と大きな明暗を見直してみましょう。窓辺で手紙を読む人物を例に、主役を選ぶ練習をします。
最も見せたい場所を一つ決める
手紙を読む絵なら、顔、手紙、手元のどれを最初に見せたいか決めます。全体を同じ強さで明るくしたり、細かく描き込んだりすると、優先順位がつきにくいことがあります。
今回は「手紙を読んで止まった手」を中心にします。ラフの時点でその場所に印を付け、光を決める間も基準にします。最も明るい部分が必ず主役になるわけではありませんが、周囲との明るさの差は試せる手がかりです。
光源を一つ置いて、影の向きをそろえる
練習では左側の窓だけを主な光源にします。顔や腕のどちら側が明るく、机に落ちる影がどちらへ伸びるかを、大まかな面で考えます。最初から複数のランプや反射光を増やすより、判断する条件を少なくできます。
現実には周囲から回り込む光もありますが、ここでは練習として単純化しています。窓の位置を右へ変えた案も作り、見せたい手と顔がどう変わるか比べます。光源を変えたら、影の方向も一緒に見直します。
白・灰・黒の三段階で比較する
色を塗る前に、明るい所、中間、暗い所の三つに分けた小さなラフを作ります。手と紙を明るくし、背景を中間にする案。顔を明るくして手元を暗くする案。どちらが今回の中心を伝えるか比べます。
手元を主役にしたいのに、窓枠だけが白く目立つなら、窓枠の明るさを抑えるか、画面に入れる面積を減らしてみます。
暗い部分にも必要な形は残します。主役以外をすべて消すことが目的ではなく、見る順番を整理するための下描きです。
小さく見てから、色へ戻す
画面を縮小して、手紙を持つ手が見つけられるか確認します。細部がなくなると読めなくなるなら、手の形と背景の明暗を少し離す、周囲の模様を減らす、といった調整を試します。
最後に色を加え、明暗で作った差が残っているかを見ます。練習では同じ線画で「手元を見せる版」と「表情を見せる版」を作り、照らす場所だけ変えてください。構図ガチャで決めたポーズを固定して光を考えると、比較する条件をそろえられます。