創作ガチャスタジオ

小説を書く人へ · 公開日:2026年10月22日

小説の動きをわかりやすくする――位置と順番のアクション描写

追いかける、避ける、物をつかむ。動きのある場面が分かりにくいときは、勢いのある言葉を増やすより、位置関係と行動の因果関係を確認してみましょう。

動く前に、必要な目印だけを置く

人物が扉へ走る場面なら、扉があることを走り出す前に示しておきます。机を盾にするなら、机と相手の位置が分かる必要があります。部屋の家具をすべて説明するのではなく、後の動きに使う二つか三つの目印を選びます。

たとえば「出口の前に相手が立っていた。二人の間には長机がある」と置けば、主人公が机を回り込む理由が生まれます。作者用に簡単な配置図を描くのも有効です。その図を文章で丸ごと説明せず、動きに必要な部分だけ使いましょう。

原因・判断・動作の順番をつなげる

「走った。転んだ。手を伸ばした」だけでは、何をしようとしたのか分かりにくいことがあります。「出口へ走ったが、床の箱につまずいた。倒れながら机の端をつかんだ」とすると、動きのつながりを追えます。

すべての動作の前に考えを書く必要はありません。とっさの行動なら、判断を省いて動作を続けた方が場面に合う場合もあります。ただ、作者自身は「何を避け、何を目指したか」を説明できる状態にしておくと、必要な情報を選べます。

速さは文章の短さだけで決めない

短い文を並べると動きを区切れますが、区切りが多すぎると一つずつ停止して見えることもあります。連続する動作は一文にまとめ、状況が変わるところで文や段落を切る案を試しましょう。

「椅子を引き、机の向こうへ滑り込んだ。出口は、もう塞がれていた。」なら、動きの後に判断を変える情報を置けます。重要でない移動は短くまとめ、一瞬の迷いや失敗には少し時間を使うと、場面の中に強弱をつけられます。

六つの動作を、位置が追える文章にする

練習では「立つ・走る・避ける・つかむ・落とす・止まる」の六つを使い、短い場面を書きます。物の置き場所と動く順番を先に決め、読み終えた時点で人物がどこにいるか分かるようにします。戦闘ではなく、飛び出した飼い猫を追う場面でも構いません。

推敲では速そうな形容詞を一度外し、それでも行動が追えるか確かめます。持っている物が途中で消えていないか、閉じた扉を説明なしに通っていないかも確認してください。漫画ネタのお題にも、場面を文章で組み立てる練習として使えます。

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