創作ガチャスタジオ

小説を書く人へ · 公開日:2026年10月22日

言葉と本音が違う会話を書く――セリフの含みを作る方法

「別にいいよ」の一言は、許可にも我慢にも聞こえます。本音を直接説明せずに伝えるには、セリフの前後にある目的と反応を組み立てるのが手がかりになります。

言いたいことと、言えない理由を用意する

含みのある会話を作るときは、曖昧なセリフを並べる前に本音を決めます。たとえば「帰らないでほしい」が本音で、「相手の仕事を邪魔したくない」が言えない理由なら、口にする言葉は「終電、大丈夫?」になるかもしれません。

本音がないまま意味深な言葉だけを置くと、読者には何が重要なのか伝わりにくくなります。作者用のメモでは率直に書き、そのうち人物が口にできる部分だけをセリフに残すと整理しやすくなります。

セリフと食い違う動作を一つ置く

「もう帰っていいよ」と言いながら、相手の使っていたカップを片づけない。「気にしてない」と答えた後で、別の話題へ急いで移る。言葉と少し違う動作があると、本音を想像する入口になります。

ただし直後に「本当は寂しかった」と説明すると、含みより答え合わせが強くなります。あえて明かす場面も使えますが、ここでは説明を外して、動作だけで何が残るかを比較してみてください。動作を足しすぎず、その場に自然にある物や行動を選びます。

相手が気づくかどうかで展開を変える

同じ「終電、大丈夫?」でも、相手が時刻表を確認すれば本音はすれ違います。「もう少しだけいてもいい?」と返せば、気づいた可能性を示せます。どちらも同じ本音から作れる別の展開です。

相手がいつも正しく察すると、二人の会話が都合よく進みすぎる場合があります。知らない事情や、その日に気にしていることを考えて返答を決めましょう。察しているようで別の意味に受け取っている会話も、関係を動かすきっかけになります。

三往復だけの会話を書き直す

最初は本音をそのまま話す三往復を書きます。次に一人分だけ本音を隠し、セリフを遠回しにします。最後に、読者が推測できる動作を一つだけ加えます。両方の人物の本音を一度に隠すより、違いを確認しやすい練習です。

読み返したときに意味がまったく分からなければ、セリフを解説するのではなく、会話の前に必要な状況を一文足します。関係性ガチャのお題を使うなら、「この二人は何を言える間柄か」を決めてから始めると、言葉の選択に理由を持たせられます。

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