創作ガチャスタジオ

漫画を描く人へ · 公開日:2026年10月22日

コマの外を使って漫画を描く――音・視線・反応で出来事を伝える

起きたことをすべて絵に入れなくても、漫画の出来事は伝えられます。画面の外の音と人物の反応を使い、見せる情報と想像してもらう情報を分ける練習です。

出来事ではなく、反応を見せる案を作る

誰かが部屋へ入る場面を、入ってくる人の姿ではなく、部屋にいた人が顔を上げる絵から始めてみます。扉の音と視線の向きがあれば、画面の外で何かが起きたと示せます。入ってきた人を次のコマで見せれば、少しだけ答えを待つ構成になります。

この方法は作画を省くためだけではなく、誰の気持ちを中心にするかを選ぶ方法でもあります。待っていた人の顔を先に置くと、来訪そのものよりも「その人にとって誰が来たか」が見どころになります。

音の出どころを、前後の絵で支える

「ガタン」という音だけでは、窓なのか椅子なのか分からないことがあります。分からない状態を狙うのでなければ、前のコマで椅子を置く、次のコマで倒れた椅子の脚を少し見せるなど、手がかりを用意します。

人物が音の方向を見るだけでも、読者は次に注目する場所を探せます。吹き出しの位置や尾の向きも合わせて確認しましょう。画面の外の人物の声と、目の前の人物の声が混ざる場合は、反応やコマ分けで話者を整理します。

見せない理由と、答えを出す時点を決める

驚きを残したいなら、物音の正体を少し後で見せる。表情を中心にしたいなら、出来事の詳細を最後まで見せない。どちらも使えますが、読者に必要な情報まで隠すと状況が追いにくくなります。

たとえば贈り物を受け取って笑う漫画なら、中身を伏せても成立する場合があります。一方、中身の取り違えが落ちになるなら、何と何を間違えたかを見せる必要があります。「隠したら気になるか」だけでなく、「隠したままでも話の意味が分かるか」で判断します。

三コマを二通り作って比べる

練習の場面を「待っていた人が来る」に固定します。一案目は来訪者、扉、待つ人を順に描きます。二案目は扉の音、待つ人の反応、来訪者の順にします。同じ出来事でも、最初に注目するものや最後のコマの役割が変わります。

どちらが正解かではなく、今回は来訪者の意外さと待つ人の嬉しさのどちらを見せたいかで選んでください。音を外すと意味が通じない部分は、必要な音が読みやすい位置にあるかも確認します。漫画ネタガチャのお題から一つの出来事を選び、三コマに絞る練習にも使えます。

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