三人の会話を、役割と反応でわかりやすく書く方法
三人になると、誰のセリフか分かりにくい。一人だけ会話に参加していない。そんな場面では口調を増やす前に、その会話で三人が何をしたいのかを分けてみます。
三人に、違う目的を持たせる
旅行先を相談する場面なら、Aは遠くへ行きたい、Bは予算を抑えたい、Cは三人の休みを合わせたい、と決めます。一人を盛り上げ役、一人を反対役と固定するより、今回の会話における望みを決めると行動に理由が生まれます。
全員に同じ量を話させる必要はありません。ただ、黙っている人にも聞く理由や考えることがあると、場面から消えにくくなります。Cが予定表を開いているなら、発言が少なくても相談に参加しています。
発言を、相手の反応へつなぐ
「泊まりで海に行こう」とAが地図を広げた。
Bは宿の値段を見て首を振る。「この時期は高いよ」
予定表を見ていたCが、二人の間へスマホを置いた。「平日なら、この日だけ三人とも空いてる」
誰が話すかをセリフの前後の動作で示すと、名札のように名前を毎行付けなくても追いやすくなります。Aの提案にBが条件を出し、Cが別の解決策を出す。発言が前の発言を受けていることも大切です。
順番を機械的に回さない
A、B、Cの順をずっと守ると、発表会のようになる場合があります。質問を受けた人が答える、黙っていた人が決め手を言う、二人が話している間にもう一人が必要な情報を調べるなど、目的に合わせて順番を変えます。
語尾や口癖だけで三人を分けようとすると、不自然になることもあります。何に注目するかを変えると、同じ丁寧な口調でも区別できます。景色を話す人、費用を話す人、予定を話す人の違いを先に作ります。
読み直しでは、話者と場面の変化を見る
セリフだけを抜き出して、誰が話したか分からない場所に印を付けます。すべてに説明を足すのではなく、会話が切り替わる箇所へ名前や動作を戻します。次に、相談の前後で何が決まったか確認します。
練習では三人が違う店を希望する場面を書き、最後に店か条件を一つ決めます。一人の希望だけを採用して終わる場合も、ほかの二人が納得したのか、不満を残したのかを一動作ずつ置くと、次の場面につながります。