手・指のしぐさで気持ちを伝える方法
袖をつかむ、カップを持ち替える、触れる直前に止まる。手元は、セリフにしなかった気持ちを置ける場所です。形を正確に描くことと、場面の中で何をさせるかを分けて考えると、手の練習がそのまま創作につながります。
まず手がしている仕事を決める
持つ、支える、押す、引く、触れる、隠す。動作を一つ選び、何にどれくらい力をかけているかを決めます。袖を軽くつまむ指と、離したくなくて握る指では、曲がり方や布の集まり方が変わります。
最初は手のひらをかたまりとして置き、親指の向きを確認します。そのあと指を足すと、指だけが別の方向へ伸びるのを見つけやすくなります。手首と腕も短く添え、体からどうつながっているかを考えましょう。
感情を置ける七つのしぐさ
- 伝えたいことがあるのに、カップの取っ手を持ち直す。
- 呼び止める手を伸ばしかけ、指を丸めて下ろす。
- 渡された物を両手で受け取り、すぐにはしまわない。
- 平気な声で話しながら、服の端だけを握る。
- 相手の手が近づき、自分の指も少し開く。
- 約束の話になると、机の上で動かしていた指が止まる。
- 見送ったあと、触れた場所を自分の手で確かめる。
大きな動きを足さず、動きが止まる瞬間を選ぶだけでも場面になります。
二人の手は接点から考える
どちらが差し出し、どちらが受け取るのかを決め、最初に触れる場所を一つ選びます。手のひら全体なのか、指先だけなのかで、見せたい距離感が変わります。いきなり指を複雑に絡めるより、接点の少ない形で関係を伝えられないか試します。
手をつないだ絵では、腕まで少し描くと誰の手かが伝わりやすくなります。袖の形や色で区別する方法もあります。接点以外の指が隠れていても、どこからつながるかを自分のラフでは一度確かめておきましょう。
資料を見るときは角度を一つずつ変える
自分の手や許可を得た写真を参考にするときは、まず握り方を固定し、正面・斜め・横から比べます。動作と角度を同時に変えると、何が形を変えたのかわかりにくくなります。写真をそのまま作品へ利用する場合は、素材の利用条件も確認します。
細部を写すだけでなく、どの指が物に接し、どの指が隠れているかを見ます。漫画やイラストでは線を省くこともありますが、接触している場所を省きすぎると物を持っている感じが弱まるので注意します。
手だけの三コマを作ってみる
「渡す前」「触れた瞬間」「受け取ったあと」を、顔なしで描きます。渡す側が迷っているなら最初のコマの距離を広くし、受け取った側が嬉しいなら最後に物を大切に持つ形を選べます。
ガチャで気持ちの強い場面が出ても、まず手だけで小さく試してみると描き始めやすくなります。顔を足すときは同じ説明を繰り返すより、手では隠せなかった気持ちを表情が隠そうとする、といった違いを作る方法もあります。